双極性障害とは
双極性障害とは、抑うつ状態だけでなく、躁状態という両極端の症状も現れる病気です。著しく気分が高揚する躁状態と、憂鬱な気分や落ち込みで何ごとも手に付かないうつ状態が交互にやってくるため「躁」と「うつ」という正反対(双極)の心理状態を繰り返すので、双極性障害と呼ばれています。
治療
すぐに治療が必要と判断すれば速やかに治療を開始しますが、基本的にはまず休息をとるようにします。そのうえで、薬物療法と精神療法を行っていきます。基本となるお薬は気分安定薬です。これは気分の波の振れ幅を小さくし(うつ症状と躁症状を小さくする)状態を安定させる効果が期待できますので、服用時が躁状態でも、うつ状態でも有効とされています。
併せて患者さまともご相談のうえ精神療法を行います。
精神療法には、心理教育、認知行動療法、対人関係療法、社会リズム療法(生活リズムの乱れを修正する)などがあります。これらの治療法のなかから、患者さんに合った方法を選択したり、組み合わせたりします。
特によく行われるのが認知行動療法で、ものの考え方や受け取り方(認知)に働きかけて、気持ちを楽にしたり、行動や心をコントロールしストレスを解消させる治療法です。
症状
双極性障害は、うつ病と同じような症状だけでなく、躁状態のときに下記のような症状が現れます。
- 気分の変動が激しい
- 理由も無いのに楽しく感じる
- 気分が激しく高揚している
- 夜に眠らなくても平気でいられる
- 人の意見に耳を貸さず自分中心の行動を続ける
- 借金をしてまで買い物をしてしまう
- すぐに気が散って、集中できない
- 楽しい時期の後には必ず落ち込む時期がやってくる